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曲線y=1.5x(1-x)上での幾何的理解

 投稿者:小田  投稿日:2007年 9月 3日(月)21時21分47秒
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  素晴らしいです!
この最初のグラフ(y=1.5x(1-x)の曲線を描いた方)

の上に、二つの種類の無差別曲線を描いて、2次関数:y=1.5x(1-x)の曲線との交点を考えます。

最初の無差別曲線は、ロールズ的社会厚生関数min{ y1, y2}を表す無差別曲線であって、これはグラフの原点からの45度線上で常に折れ曲がるようなL字型の曲線となります。福祉国家路線の決定問題とは、2次関数:y=1.5x(1-x)の曲線上で、ロールズ的社会厚生関数min{ y1, y2}の値を最大化することであり、それは2次関数:y=1.5x(1-x)の曲線とあるL字型無差別曲線が接するときの接点を選択する事です。この二つの曲線が接するときの接線は、2次関数:y=1.5x(1-x)の最大値における導関数:-3x+1.5=0に等しくなります。

第二の無差別曲線は、功利主義的社会厚生関数y1+y2を表す無差別曲線であって、これは傾き-1の直線となります。新自由主義路線の決定問題とは、2次関数:y=1.5x(1-x)の曲線上で、功利主義的社会厚生関数y1+y2の値を最大化することであり、それは2次関数:y=1.5x(1-x)の曲線とある傾き-1の無差別曲線が接するときの接点を選択する事です。この二つの曲線が接するときの接線は、2次関数:y=1.5x(1-x)の最大値における導関数:-3x+1.5=-1に等しくなります。

上の数値例は、実行可能な所得分配の軌跡がシンメトリックな曲線y=1.5x(1-x)で表されるという、きれい過ぎる状況であり、より現実的にありうる実行可能所得分配曲線の頂点はもっと個人1の事後的所得が高い位置にシフトする形になると思われます。そうであったとしても、ロールズ的社会厚生関数の最適値は、この実行可能所得分配曲線の傾きがゼロとなる点となり、功利主義的社会厚生関数の最適値は、この実行可能所得分配曲線の傾きが-1となる点となるという性質に変わりはありません。その結果、

>問題(8)の解t*と問題(9)の解t**を比べれば、一般に
(10) t* (s l(t*))< t** (s l(t**))
となります。すなわち、最も不遇な個人2の事後的所得額は、福祉国家路線の方が大きくなります。他方、国民所得額を比較すれば、一般に
(11) s l(t*)>s l(t**),
すなわち新自由主義路線の方が大きくなります。この(11)式はまた、新自由主義路線において有能な個人1はより多くの労働時間を供給する、すなわち彼の労働へのインセンティヴはより高くなる事を意味します。他方、上記の2つの不等式(10)と(11)から、高所得層である個人1の事後的所得は新自由主義路線のほうが福祉国家路線より大きいことが解ります。この事は言い換えれば、福祉国家路線の方が所得格差はより小さい事を意味します。しかしながら、パレート効率性に関して言えば、いずれかが他方よりも優れているとは言えません。

という定性的性質が導かれる事が理解できると思います。
 
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